体外受精の妊娠率はここ10年で横ばい。

妊娠率について、日本産婦婦人科学会が公表した数字から計算してみると、2003年の全国の高度生殖医療をおこなう施設にける体外受精の妊娠率は,採卵あたり23.0%となっています。

私は、高度生殖医療を経験された、あるいは視野に入っている女性に、この妊娠率に関してアンケートをおこなったことがあるのですが、その答えの多くはこのようなものです。

*個々の医療機関によって技術差があるのは、外科手術等にもみられることなので、成功例などの情報があいまいでなくきちんと開示されることが望ましいと思います。

*厚生労働省のような公的な機関が、妊娠率の分子と分母の定義をつくり、統一するべきではないでしょうか?

注目してほしいのは1991年という年です。

この年の日本産科婦人科学会の報告する体外受精の妊娠率は、8.1%と,5.5%という2つの数字が示されています。

なぜでしょうか?これは、いま述べた妊娠率の分子のお話になるのですが、1990年まで,女娠の判定は尿での妊娠反応陽性をもって妊娠としてきました。

しかし、不妊治療がだんだんと普及し、それが一般的になるにつれて、不妊治療の過程でhCG製剤が多用されることになりました。

この薬の注射によって妊娠反応において「偽陽性」が出ることはよく知られたところです。

日本産科婦人科学会ではそうしたことを重くみて1991年からは妊娠の判定を、超音波検査において子宮内に胎児が入っている袋、すなわち,胎のう確認をもって妊娠とするというふうにあらためられたのです。

したがって15.5%というのは胎のう確認での妊娠率、18.1%というのは化学的妊娠も含めた数字ということになります。

さらにこのグラフから読みとれることは、体外受精における妊娠率は、2003年までの過去10年でほぼ横ばい状態だということです。

日本産科婦人科学会が公表している統計によれば、2003年の1年間で26,102組のカップルが、延べ38、162回の体外受精の治療を受けました。

採卵総回数は36078回、そのうち8、300組において妊娠となりました。

この数値から計算すると、まずカップルあたりの1年間の妊娠率は31。

8%となります。

しかし、このなかには1年間に2回、3回と体外受精を繰り返しているカップルもいますので、体外受精1回の治療あたりの妊娠率は21.7%、採卵に至った場合の採卵あたりの妊娠率は23.0%となるわけです。

この数字を見て、ホームページ上などの妊娠率よりかなり低いと思われる方も多いでしょう。

分母が採卵あたりか治療あたりかで変わりますが、体外受精の妊娠率はおおよそ22%前後というのが厳粛な事実なのです。

*恐ろしいです。

いまの私には、宝くじに当たるよりも遙かに遠い確率であり、ベジママ 最安値で買える人がいまだにいるのかと思ってしまいます。

*IVFをすれば必ず妊娠できるわけではないんだというのを改めて実感する数字。

さらにいうと、2%という妊娠率も水増しされている可能性も否定できません。

それは、こうした数字は各医療機関から日本産科婦人科学会へ自主申告により報告されたデータに基づいて出されたものであるからです。

体外受精によって生まれてくる子どもの数が増えているのは、それにエントリーする人、すなわち分母が年を追うごとに大きくなっているからです。